化粧品の表示ガイドラインとは|10個の表示ルール項目や表示義務を分かりやすく解説
化粧品の製造・販売をする上で覚えておきたい「表示ガイドライン」。これは化粧品には欠かせない表示で、消費者へ正しい情報を伝えるために作られているガイドラインです。
化粧品に関する規約には様々な内容が定められていますが、今回は基本的な化粧品の表示ガイドラインについて解説します。基本の部分だけでもかなりの項目がありますので、しっかり理解していきましょう。
目次
化粧品の表示に関するガイドラインとは
化粧品の表示に関するガイドラインは、「化粧品の表示に関する公正競争規約」に示されています。これは化粧品公正取引協議会によって定められたガイドラインで、全ての内容に沿って化粧品を製造・販売しなければなりません。
「化粧品の表示に関する公正競争規約」には、表示に関することだけでなく、以下なども定められる。
-
効能効果の表現の範囲
-
広告に関するガイドライン
これらのガイドラインは消費者への正しい認知に加え、事業者同士での公正な競争の確保を目的としています。全てを網羅しないと規約違反となり、その化粧品は販売することができません。
化粧品の裏面表示|10個の項目を確認
今回は「化粧品の表示に関する公正競争規約」のうち、第4条の「必要表示事項」について解説します。第4条の内容は以下の通りです。
第4条
事業者は、化粧品の直接の容器又は直接の被包(直接の容器又は直接の被包に表示された事項が、外部の容器又は外部の被包を透かして容易に見ることができない場合は、当該外部の容器又は外部の被包を含む。)に次に掲げる事項を化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則(以下「施行規則」という。)に定めるところにより、邦文で外部から見やすい場所に、明りょうに表示しなければならない。ただし、施行規則で特に定める場合においては、この限りでない。
引用:化粧品公正取引協議会 化粧品の表示に関する公正競争規約
これらは「裏面表示」とも呼ばれ、化粧箱やボトルに記載されています。計10個の表示ガイドラインが定められているので、一つずつ見ていきましょう。
①種類別名称
種類別名称とは、洗顔料や化粧水など各化粧品のカテゴリーを示す名称です。販売名だけでは用途が分からない可能性も考えられるため、必須事項として定められています。
種類別名称は<>や()で囲う、太文字にするなど裏面表示の中でも目立たせなければなりません。また、種類別名称は一カ所にのみ記載するのではなく、化粧箱・ボトル・別添説明書など全てに記載する必要があります。
医薬部外品には種類別名称を表示する義務はありません。しかし、消費者の誤った認知を防ぐため化粧品と同様の名称を記載するのが一般的です。
②販売名
販売名とはその化粧品を指す名称です。「○○ローション」や「モイスト○○ボディクリーム」など世の中には様々な販売名が存在します。これらは自由に決められるのではなく、薬機法に基づき決定し、各都道府県の薬務課の承認を受け正式に認められます。
さらに以下は販売名として認められません。全ての規約を網羅した上で販売名を決定しましょう。
-
特定の成分名の使用
-
ローマ字のみ
-
他社の商標を侵害する販売名
③製造販売業者の氏名又は名称及び住所
製造販売業者の氏名(代表者)または名称(会社名)の記載および、製造販売業の責任者が業務を行う所在地を記載します。
OEMの場合は以下を記載しましょう。
-
製造販売元(OEMメーカー)の名称、住所
-
発売元(販売を手掛けるメーカー)の名称、住所、問い合わせ先
④内容量
内容量は箱や容器の重さを除いた中身のみの重さを、重量(g)、または容量(mL)で記載します。充填量の平均値を記載するのが一般的で、表記した内容量と実際の中身の量は誤差-3%以内でなければなりません。
⑤製造番号又は製造記号
製造番号・製造記号は「製造ロット」とも呼ばれるもので、数字やアルファベットの羅列で表示するのが一般的です。これはいつ・どこで製造されたロットであるかを表す表示で、同じバルクで製造された化粧品は同じ製造番号・製造記号を記載します。
不良品等のトラブルや製品回収の際、この製造番号・製造記号が必須です。なければ対象と考えられる全製品を回収する事態になり兼ねます。化粧品の容器等が小さい場合は製造番号・製造記号の省略が認められることもありますが、万が一のトラブルに備え記載しておくと安心でしょう。
⑥厚生労働大臣が定める化粧品については、その使用の期限
製造または輸入から適切な保存条件のもと、3年を超えて品質・性状が安定する製品に関しては使用期限を記載する必要はありません。
製品によっては防腐剤が少ない・分解速度の早い成分を使用しているなどの理由で、3年以内に品質・性状が変わる場合があります。これに当てはまる製品は、使用期限を月単位で記載しなければなりません。
⑦厚生労働大臣の指定する成分(全成分表示)
2001年4月より化粧品は全成分の表示が義務付けられています。基本的には配合量の多い順に成分を表示しますが、配合量が1%以下の成分に関しては順不同です。そのため、ヒアルロン酸などの美容成分を前方に記載し、香料や防腐剤などの成分は後方に記載することも可能です。着色剤は成分表示の最後に順不同で記載します。
成分の中には「キャリーオーバー成分」と呼ばれる、エキスの抽出等で使用した成分が存在します。これはごく少量しか化粧品に含まれていないため、表示の省略が可能です。
⑧原産国名
原産国名にはバルクを製造した国が記載されます。製造を日本で行った場合は「MADE IN JAPAN」「日本製」等、国名や地名を一般消費者が理解できる内容で記載する必要があります。
⑨施行規則で定める化粧品については、その使用上又は保管上の注意
いかなる化粧品でも肌に合わないなどのリスクが考えられるため、使用上の注意や保管上の注意を記載します。これは消費者を守るだけでなく、メーカー側を守るためにも必要です。
PL法(製造物責任法は、製造物の欠陥により損害が生じた場合の製造業者等の損害賠償責任について定めた法規)では、「製品での事故の責任は作った業者が負うべき」と定められています。肌トラブル等の注意を記載しても一切の責任がなくなるわけではありませんが、訴訟などのリスクを最小限に抑えられます。配合成分や種類別名称に合わせて、適切な注意を簡潔に記載しましょう。
⑩問い合わせ先
問い合わせ先は「③製造販売業者の氏名又は名称及び住所」の下に電話番号を記載するのが一般的です。お客様窓口など消費者からの問い合わせに対し、迅速に対応できる連絡先を記載しましょう。製造販売元と発売元が異なる場合は、発売元の電話番号を記載します。
他に必要な表示はある?
10個の表示項目は「化粧品の表示に関する公正競争規約」に基づいたガイドラインです。これに加え、「資源の有効な利用の促進に関する法律」に基づき必要に応じてリサイクル表示を記載します。
■リサイクル表示が必要な場合
-
紙製容器包装
-
プラスチック製容器包装
■リサイクル表示が不要な場合
-
ガラスや金属容器包装
-
ダンボール製容器包装
まとめ
化粧品は「化粧品の表示に関する公正競争規約」によって表示ガイドラインが定められています。ガイドラインを無視した化粧品は販売が認められないためご注意ください。
ゼロ・インフィニティでは化粧品のOEM製造に加え、表示ガイドラインへの対応も行っております。表示や薬事対応などでお困りの際はぜひご相談ください。
化粧品、健康食品、イージーオーダー化粧品などのOEM製造開発を手掛ける大阪のOEM会社。「小ロットOEM企業」として他の追随を許さないエキスパート企業を目指しています。ゼロインフィニティの強みはこちら。化粧品、健康食品などのOEM製造開発のご依頼は072-321-8839までお電話下さい。