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担当者必読!化粧品業界の市場や最新の業界動向を解説

公開日:2019年01月09日

最終更新日:2023/02/02

化粧品OEM業界動向

化粧品業界のなかでも主流となりつつある「OEM」
最近は、従来の「製造委託」だけでなく、企業をトータルサポートできるOEMのあり方が注目を集めています。
今回は、OEM製造を検討する前にぜひ理解して頂きたいメリット・デメリット、化粧品業界の最新動向などをご紹介します。

化粧品OEM業界の現状

近年、化粧品業界では「OEM化粧品」が注目を集めています。
「OEM」という単語から聞き慣れないという方のために説明すると、「OEM」とは、「Original Equipment Manufacturing」の略語であり、つまり「製造メーカーが他社製品を製造する」という意味です。
自分たちで製造ノウハウを持っていなくても、製造メーカーに依頼してオリジナルの製品を作れるということで、今では様々な業界において拡大傾向にある業務形態です。

化粧品業界では、自分でオリジナル化粧品を作りたいけれど、製造する工場がないという場合にOEMで化粧品製造をすることが増えています。
開発から製造まで委託することができるため、低コスト・低リスクで始めることができることが利点です。

勝負したい材料を最大限発揮するために

市場には、化粧品メーカーは多数ありますが、自社で原材料から作っていたり、製造工場を持っている企業はあまり多くありません。
使う方の年齢層によって、ニーズや流行が変化する化粧品を製造するために、ひとつの工場だけでは対応しきれないのが現状です。

そのため、メーカーは、新しく開発したい商品の企画やコンセプトを考え、製造に関するところはOEM企業に委託するという方法が増えてきています。OEM化粧品製造会社は、一般的な化粧品会社と違って、一般の消費者に知られている会社は少ないかもしれません。

しかし、今までは企業間で取引されることが多かったOEM化粧品の製造ですが、最近では個人が参入することもできるようになってきています。
OEMで化粧品製造を考えている方のために、OEMのメリットやデメリットを具体的にご紹介します。

【メリット】
  • ・ノウハウがなくても、経験豊富なOEM企業からさまざまな提案をしてもらえる。

  • ・製造工場などの設備投資をする必要がない。

  • ・小ロットから大量生産も出来るので、在庫を抱えるリスクがない。

  • ・自分のこだわりに合わせて原材料の選定、処方などをしてもらえる。

  • ・薬機法など、専門知識が必要な部分をカバーしてもらえる。

  • ・販路の拡大や、マーケティング部分も依頼できる場合がある。

【デメリット】
  • ・自分たちで製造管理がしにくく、スケジュールや納期を把握しにくい。

  • ・イレギュラーに対応してもらいにくい。

  • ・パッケージの製造、変更などがすぐに対応できない。

  • ・自分たちで製造ノウハウを蓄積できない。

特に、「自分たちで製造ノウハウを蓄積できない」といった部分では、OEMメーカーの開発・製造方法が絶対となってしまうため、自分たちでコントロールすることが難しくなるともいえます。
このようなことをきちんと理解した上で、化粧品OEMを考えるようにしてください。

化粧品市場の動向

化粧品業界でのOEMの捉え方は年々変化しています。
自社で工場をもち、製造ラインを確保している企業がある一方で、最近では大手企業でもOEMの力を借りて化粧品製造しているところが増えてきました。

近年では、企業の大きさに関係なく、化粧品会社のものづくりは外部に委託することが主流となってきています。
理由としては、やはり「低コスト」「低リスク」「在庫を抱える心配がない」など、企業にとってメリット部分が大きいことが考えられます。

製造だけではないOEM会社の増加

OEM受託会社のなかには、化粧品製造だけにとどまらず、企画力や営業力などさまざまなジャンルで強みを発揮するところが増えてきました。
例えば、化粧品を作ったはいいけれど流通が得意ではない企業があれば、販路の拡大や広告配信などのアドバイスを行ったり、自社でコールセンターを持ち、顧客企業の販売を支援する企業もあります。

OEMというと、「製造委託」というイメージになりですが、現在では企画から販売までトータルでサポートすることも主流となりつつあります。

OEM企業に委託できることの一例
  • ・商品の企画

  • ・研究や開発

  • ・商品製造

  • ・パッケージデザイン

  • ・市場のマーケティング

  • ・新規顧客獲得

これら全てを別々の企業に依頼すると、膨大な時間とコストがかかりますが、それらをワンストップで依頼することで、最低限のコストで一貫性のある商品生産を行うことが可能となります。
このように、OEM企業への外部委託が主流になってきてから、化粧品業界に新規参入する企業も増えてきました。

最近目立っているのが、他業種からの参入です。
例えば、乳酸菌飲料メーカーや、フィルムメーカーといった、化粧品とは一線を画してきた企業が、長年培ってきた研究力・技術力を生かして化粧品開発を始めることも増えてきました。

化粧品の製造から収益化するところまで、あらゆるサポートが可能なOEM企業は、従来の化粧品メーカーにとどまらず、さまざまな業態の企業からも注目を集めています。

今後の化粧品業界の将来性

では、実際にOEMで化粧品製造を行おうとする際、どのような流れになるのか、簡単にご紹介します。

OEM化粧品製造の流れ
  • 商品のマーケティング

    企画立案

    コンセプトメイキング

    研究、開発

    原材料の選定

    検査、評価

    試作品のサンプルテスト

    包材選定、パッケージデザイン

    生産、納品

    販売

このなかでも、サンプルの確認や、検査や評価する部分は何度も繰り返し行い、安全性の高い、市場で販売できる商品を完成させていきます。
このように、化粧品開発では、ひとつの製品をつくるだけでも多くの工程を重ねる必要があります。

そして最近では、化粧品を同一ブランドのラインナップで揃えることが人気を高めています。
「敏感肌」や「美白」といった、コンセプトに沿った化粧水や乳液を集めて「ライン使い」することでより高い効果を得られるといったものです。

シリーズ商品とブランドの開発

化粧品のラインナップを増やしていくためには、最初はひとつの商品から作り始めたとしても、数種類の化粧品を企画・製造し、制作工程を何度も繰り返す必要があります。

消費者の傾向としても、同じコンセプトの化粧品を集めたいという需要は高く、消費者としては「化粧品の効果をより高めることができる」というメリットがあり、メーカーにとっては「まとめ買いをしてもらえることで売り上げが上がる」といったメリットがあります。

そのためには、ランナップのコンセプトがうまく消費者に刺さる必要があり、決してブレてはいけない部分でもあります。化粧品のラインナップ開発は簡単ではありませんが、それらが評価されれば、ラインナップを増やしていく方法でブランド価値を高めたり、知名度を上げることにも繋がります。

うまく流れに乗れば海外進出も夢じゃない

このように、売りとなる商品ができれば、さらに販路を拡大できる可能性も広がっていきます。
国内で人気の高い化粧品の場合は、今後、海外での販路拡大などが考えられます。
中国や台湾などでは、日本の化粧品の人気が高く、それに続いてタイやフィリピンといったアジア圏でも日本の化粧品市場が伸びています。

しかし、現状、そういった人気の中心にいるのはやはり大手化粧品メーカーの商品であり、海外でオリジナル商品を販売するためには、まずは商品の知名度をあげ、商品価値を高めることが重要です。
まずは、現地のマーケティングをしっかり行い、ターゲットを見定め、需要に合った商品を販売すること。
そこを成功することができれば、海外進出も夢ではありません。

はじめから海外進出を踏まえたコンセプトづくりも

最近では、海外進出を考えている企業に向けた商品のキャッチコピーや、現地での効果的なプロモーションなども相談できるOEM企業が増えています。
商品のコンセプトや付加価値にしたい部分などは、自分でもしっかりマーケティング調査と考察を重ね、決してブレないことが重要といえるでしょう。

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